テキスト

テキスト

All the things you are


 なおも余震は続いている。午後のまどろみの中に地震という地震を丸めこんで「お願いだからもう揺れてはだめだよ」と諭したいという欲求にかられるがそれは難しい。そして今僕は音楽を聴いている。震災後やれ、音楽の力みたいな全体主義的傾向に辟易として音楽を聴くことが上手く体に馴染まなかったのだが、ようやく少しずつ自分のために音楽を聴く余力みたいなものが芽生えたのを感じる事が出来る。けしてチャリティーが悪いという訳ではないが音楽ではなにも救えない。無力なのだ。でも無力は悪いことではない。無力である事がわかった時、初めて音が生まれるのだという事を知らなくてはいけないのではないか?何かをやらなくてはいけないという衝動はわかるがその衝動が全ての人への安らぎではないのだ。音楽に限らないかもしれないが、僕は「芸術は個人的な意思のためだけに存在する物」だと思っている。だから音楽は誰のためでもなく自分の為に鳴らなくてはいけない。そうあなたこそがその全てなのです。と、もう戻らない夕暮れに一人思う。わからない事が多すぎる。

 スタンダードの中でも大好きな曲。こんなに優雅で美しいメロディーが世の中には存在するのです。その中でもとりわけ好きなチャーリーパーカーの演奏をup。